【探偵はもう死んでいる】原作7巻ネタバレ・感想後編!聖還の儀はどうなる?

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探偵はもう、死んでいる。_原作7巻 探偵はもう、死んでいる。
たんもし

「たんもし」こと「探偵はもう、死んでいる。」原作7巻ネタバレ・感想をしていきます。

新章に入って新たなストーリーが始まりましたが、2年後からのスタート!連邦政府からの新たな指令を受けた君彦たちに今度は《未知の危機》が訪れます。

過去に活躍した調律者の伏線を回収しながら、今度の危機はどうなっていくのでしょうか?

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ボリュームが多いので前編・後編の2記事でまとめています!今記事は原作7巻のネタバレ・感想の 後編記事です。

7巻前編⇒原作7巻ネタバレ・感想前編!新章がついに開始!

注意
・ここからはネタバレを含むのでご注意ください!

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【探偵はもう死んでいる】7巻ネタバレ・感想、後編

「探偵はもう、死んでいる。」の原作7巻の内容をネタバレをしています。

重要な部分を簡単にまとめているので、全て知りたい方は原作を読んでみましょう!

今記事は原作7巻の後編の記事です。

前編の記事はコチラ➡原作7巻ネタバレ・感想前編!新章がついに開始!

聖還の儀の当日

君彦はシエスタと夏凪の2人には式典で使用される《原典》が偽物であることは伏せています。

君彦の願いは、シエスタと夏凪を《調律者》という使命から解放して平和な日常を過ごすことです。

そのために君彦は本物の《原典》を事前に《未踏の聖域》の使者に渡して、《聖還の儀》に危害を加えないことを約束しました。

そして《聖還の儀》の当日。

儀式自体は19時から行われ、それまでは舞踏会を行うこととなっています。

会場に訪れた君彦は、ドレスアップしているシエスタと夏凪を待つ間、懐かしいメンバーと再会していました。

そこにいたのは元《巫女》のミア・ウィットロックと元《魔法少女》のリローデットです。

リローデットは橙色の綺麗なドレス身に纏いつつ車イスで君彦の前に現れ、それを押しているのがミアでした。

「久しぶりだな、リル。会いたかった」

「…会いたかったのなら会いにくればよかったじゃない」

2年前はまだ君彦とリローデットの間にそこまで深い関係はありませんでしたが、この2年の間にある程度の信頼関係が築かれたようで、君彦とリルは親しげに話します。

「懐かしいな、あの頃のことは」

「ええ。…今思えば、この眼には敵しか映ってなかったけど」

そしてリルと話した後、君彦はミアに偽物の《原典》を渡そうとします。

「なぜミアはこれを俺に託そうとしたんだ?」

君彦はミアに《原典》を渡す前に、どうしても気になっていたことをミアに話します。

「今の私は未来を視て《世界の危機》を予言することはできない。でも、なぜかこの本だけはあなたに渡さなきゃいけない気がした。その未来だけは守らなくちゃいけないって、ある朝目覚めた時に思ったの」

これは巫女としての未来予知ではなく、ミアの第六感が働いたことでした。

それを聞いた君彦はミアに偽物の《原典》を渡し、受け取った瞬間、ミアはそれが本物ではない偽物であると悟ります。

「分かった。これがあなたの選択なら、私はそれを受け入れる」

そしてミアは偽物の《原典》を受け取ります。

その後ミアと君彦は握手をして、聖還の儀の成功を約束します。

聖還の儀

舞踏会が終了した19時前。

君彦たちはノエルに促され、後方座席に並んで座ります。

「あと5分ほどで始まりますね、もう少々お待ちください」

君彦たちは前方を確認すると、そこにはブルーノが座っており、その周りには連邦政府直属の軍人である通称《白服》と呼ばれる護衛質が待機していました。

――世界の知は間もなく滅びる――

君彦は事務所に届いていた手紙のことを思い出しますが、いずれにせよ《未知の危機》は今日この場では起こりません。そのために君彦はスティーブンに《原典》を渡しました。

そしていよいよ時間になり、仮面を被り装束を見に纏った連邦政府の高官たちが続々と舞台に現れます。

本来であればノエルもそこに登壇するはずでしたが、ノエルはまだ経験が浅いこともあり使者のような仕事しか振られていませんでした。

そして会場には沈黙が流れ、その後その場にいた元《巫女》のミアが立ち上がり、《聖典》に火を灯していきます。

「原典を燃やして、力を還して。そうまでして今後、もしまた《世界の危機》が起こったら?本当にこれでもう大丈夫って、そういう保証はあるのかな」

「ああ、これまでの歴史上《聖還の儀》は何度か行われきて、その成果が実証済みだ」

夏凪の疑問に対して、ノエルが答えるよりも前に君彦が答えます。

「その平和が永久的に続くことはないけどな」

「…やはり君彦様は気付いておられたんですね」

ノエルは小さく頷き、聖還の儀がもたらす平和にはタイムリミットがあると答えます。

200年。

一度《聖還の儀》が行われると、少なくても200年は《世界の危機》は訪れないことが保証されるとノエルは話します。

少なくても今を生きている人の平和は守られることを知った君彦は、あの時の選択は間違っていなかったと悟ります。

しかしその時―――パァン! と乾いた銃声が会場内に響き渡ります。

「ミア様!」

撃たれたのは原典を燃やしていたミアであり、オリビアはそんな倒れたミアに駆け寄ります。

「そんな、馬鹿なことは」

君彦は待ち望んでいた未来と違うことに茫然とします。

ただし一番最初に動いたのはシエスタであり、シエスタはマスケット銃を構え、ミアの下へと宙を跳ぶように駆け寄ります。

「…っ!シエスタ、反対の二階席を見ろ!」

そこにいたのは、黒塗りのライフルを構えたカラスマスクであり、シエスタがその敵を見た瞬間には既に銃声が鳴っていました!

「シエスタ…」

シエスタは一度その場でよろめくと、受け身を取ることもなくバタリと倒れこみます。

君彦は気付けばシエスタの下へと足を動かします。

ただしかし、急に君彦には周りの物音が聞こえなくなり、視界もだんだんとぼやけてきます。そして平衡感覚を失った身体は足元から崩れ落ち倒れてしましますが、その手だけはシエスタの方へと伸ばします。

「また、なのか」

こうならない未来だけを追い求めてきた君彦でしたが、今までの選択は間違いであったと悟り、気づけば意識を失っていまいます。

《原典》の持つ力

《聖還の儀》が始まる数日前。

君彦が上空一万メートルの飛行機の上でオリビアから《原典》を初めて渡された時、君彦には未来が見えました!

これから起こるであろう出来事がリアルに見え、その時君彦は《原典》は自分の手に負えるものではないと判断してオリビアから《原典》を受け取ることを断りました。

ただしかし、その後飛行機は目的地へと辿り着くことはなく、オリビアは何者かに機内で襲われてしまい《原典》は奪われてしまいます。

「俺は間違えた」

そして君彦は、あの時オリビアから《原典》を受け取らなかったことは誤りだったと気付きます。

そう強く後悔をした瞬間――気づけば君彦はまた飛行機の中で目の前にオリビアが立ち、そして君彦の手にはしっかりと《原典》が握られていました。

君彦はその現象を深く考え、《原典》は所有者がなにか大きな判断に迷った時に、それらの選択肢の先にある未来を見せてくれることがあるという事に辿り着きました。

その後君彦は《原典》を肌身離さず持ち歩き、ブルーノとの会談を終えた後、夏凪に会いに行くのか、スティーブンに会いに行くのかの分岐点に立たされました。

そして君彦はスティーブンに会いに行き、仮初の平和選ぶことにします。

その結果が先ほどまでの現状となりました。

「やり直そう」

君彦はスティーブンに会いに行く選択ではなく、夏凪に会いに行くことにします。

そして気づけば君彦は再び昨日の夜に戻ってきており、昨晩あのバーでブルーノと別れた直後に帰ってきました。

新たな選択肢

夏凪に会いに行くと決めた君彦は、ライトアップされた待ち合わせの公園へと来ていました。

夏凪と君彦はシエスタのことや今までの過去のことを話した後、最後に夏凪は君彦に本音で話します。

「ずっと嫌な役を負わせて、ごめん。決断を押し付けてしまって、ごめん。あたしたちに平和を与えようとしてくれて、ありがとう」

夏凪の声は少し涙ぐんでいました。

「本当は怖いと感じたこともあった。昔、命を賭けて戦ったことも。あの《大災厄》のことも。そして今、また世界に関わろうとしてることも。だから、そんなあたしを救おうとしてくれて…」

「…やめろ」

「ダメだよ。誰か一人くらい、君彦のことをちゃんと言葉で認めてあげなくちゃダメ。シエスタは、きっと不器用だから。せめてあたしが言う。―――ありがとう。あたしたちの助手でいてくれて、一番のパートナーでいてくれて、ありがとう」

それを聞いた君彦は、首に掛かっていたマフラーを外し、夏凪の首元へと巻きます。

「謝罪も感謝も必要ない。俺が渚やシエスタに平和に暮らしてほしいと願うのはただ…俺がお前たちのことを好きすぎることが原因なだけだからな」

君彦は自分が恥ずかしい台詞を吐いている自覚をしつつも、素直に夏凪に伝えます。

その後、夏凪は君彦の頬にキスをします。

引用:©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会

「勘違いしたら、半殺しだから」

夏凪はいつもの口癖よりもだいぶ弱弱しい言葉を口にしました。

シエスタとの舞踏会

翌日、君彦達は前回と同じようにノエルに連れられて《聖還の儀》の会場へと向かいます。

そして今度は本物の《原典》をミアに渡し、その後の舞踏会へと移ります。

「シエスタ、この後舞踏会だが俺と踊ってくれ」

君彦は真っ先にシエスタに駆け寄り、シエスタを舞踏会へと誘います。

「なにその良く分からない手回しは?というか渚はいいわけ?」

「別にいいよ。あたしは昨日の夜、君彦と公園でお楽しみだったし」

「えっマウント?」

シエスタは信じられない目をして、渚を見つめます。

ですが夏凪は「あとは任せたよ」と君彦に言い、その場を去っていきます。

「君、踊れるの?」

「俺がそういうの得意に見えるか?」

「ううん、全然」

そして君彦はシエスタにリードされながら不器用ながらもシエスタと踊ります。

「俺はこの一年間の平和な日常こそが、探偵の望むものだと信じていた」

君彦は踊りながらシエスタに話しかけます。

「でもそれは勘違いだった」

君彦は夏凪とシエスタには平和な日常を歩んでもらいたいという思いがありました。

ですが一時的に《名探偵》として戻ったシエスタは、また自己犠牲をしてでも世界を救おうとしています。

なので君彦は、シエスタと夏凪をいかに安全に今回の危機から守るかを考えていました。

ただ…

「俺は自分のエゴで、お前を死なせたくなくて、名探偵の誇りを汚そうとした。―――悪かった。許してくれ」

君彦はダンスをしながらシエスタに謝罪をします。

「私は格好良かった?」

「ああ、美しくて、格好良くて、輝いていた。そんなお前の誘いだったから、多分あの日俺はこの手を取った」

そして君彦はシエスタに7年前に言ったあの一言をもう一度言います。

引用:©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会

「一生一緒に居てくれ」

今までシエスタは何度も君彦の前からいなくなりました。

そして君彦は次もまたシエスタがいなくなることがないように、シエスタにもっと強く言います。

「なにがあってもいなくなるな。これから先、俺をどこへでも連れて行け。どこへでも行ってやる。どんな理不尽も乗り越えてやる。だから――」

「――誓うよ。一生君を連れ出してあげる。一生君を理不尽から守ってあげる。一生君とバカをやってあげる。だから――一生私を幸せにして

丁度ダンスも終え、二人は見つめ合った後、やがてどちらともなく視線を外します。

「さて、それじゃあ、助手。これからどう動く?」

「シエスタ、作戦決行だ」

2度目の聖還の儀

舞踏会が終了し、次は《聖還の儀》が始まります。

今回の《聖還の儀》では、君彦たちは後部座席ではなく前方の席に配置することになりました。

「始まります」

近くに居たノエルが式典の始まりを合図した後、前回と同じように仮面を被った高官が登場して、次にミアが壇上に立ち《聖典》を炎を灯していきます。

そしてミアが《原典》に手を出そうとした時――

2階席に突如登場したカラスマスクが、ミアにライフルを構えている所を君彦が見つけます!

「――大丈夫。未来が分かっているなら、それから逆算した行動を取ればいい」

そう言ったシエスタは、いつの間にかミアの居る壇上へと跳び、マスケット銃を剣のように薙ぎ払って撃たれた銃弾を打ち払います。

「渚、今のうちに」

「うん、任せて。まずはリルのところに」

渚はまず、手筈通りに会場にいる人を逃がすために動きます。

ミアのことはシエスタに任せ、君彦はブルーノを守るために行動をします。

「ノエル、俺たちも急ぐぞ」

君彦はノエルを連れて、ブルーノの下へと急ぎます。

しかし気づけばブルーノの姿は会場内にはなく、いつの間にか新たな侵入者が入ってきていました。

その数は50人以上で、全てガスマスクを被った黒ずくめの男たちです。

そして会場内にあるスクリーンに映像が映し出され、そこには再びカラスマスクを被った男が映し出されます。

『レンポウセイフ オ前タチノ隠ス 世界ノ秘密ヲ ココニ示セ』

カラスマスクからの条件は、十分以内に回答をしなければ人質を一人ずつ殺すというものでした。

君彦は《未踏の聖域》が欲している情報を手に入れるために、逃げ遅れていた高官たちの前へと行きます。

「アイスドール」

君彦は高官の中でもこれまで深く関わってきたアイスドールに《未踏の聖域》が欲している世界の秘密の情報を渡すように伝えます。

「その問いに対する回答権を、アイスドールは保持しておりません」

君彦はなんどもアイスドールに説得をしますが、アイスドールは全てに対して何も答えることはありませんでした。

「俺や探偵は、あんたら《連邦政府》の根幹を担っている《ミゾエフ連邦》にまつわる真実も知っている。それをばらまけば、いつだって世界はひっくり返るぞ」

君彦はそこまで話すも、アイスドールは何も話すことはありませんでした。

そして次の瞬間―――アイスドールの頭が吹き飛びます。

時間制限を過ぎたことでガスマスクが銃をアイスドールへ向けて発射しました。

「…人形?」

ただそこに転がったのは生首ではなく、ただの朽ちた人形でした。

他の高官も全て人形であり、本物の高官は元からこの会場にはいなかったのです。

君彦は「とんだ茶番だ」と言い、ふらふらと近くの席へと座ります。

『次ノ フェイズニ 移ロウ』

スクリーンに映るカラスマスクは、高官から情報が聞き出せないと判断して次の手に出ます。

そしてスクリーンには舞踏会に参加していた数百人の男女であり、その中にはブルーノとマスケット銃を持っていないシエスタまでいました。

『次ハ コノホールヲ 爆破スル』

カラスマスクはまた十分後だと告げ、映像を切ります。

それを聞いた君彦は、最後に残された最終カードを切ることにします。

「やっぱり、爆弾を積んだ列車から見える景色は綺麗じゃないよな。ノエル」

真の黒幕

「ノエルも分かってたんだよな。こういう事態が起きることは」

「ええ《未踏の聖域》の使者による襲来は、事前に彼らによって予告されていたのものでもありましたから。そして、おじい様がそれに巻き込まれる可能性も」

ノエルはブルーノと共に君彦たちに《聖還の儀》で起きる危機を知らせました。

「けどその後、『世界の知は間もなく滅びる』という手紙をうちの事務所に送ったのはノエル、お前だろ?」

君彦からのストレートな質問に、ノエルは顔色一つ変えることはありませんでした。

「ノエル、お前は昨日から俺たちのことをずっと監視していたはずだ。空港で俺を出迎え、クルーズ船に招待し、その後も俺たちの動向を探っていた」

しかも君彦は予約されていたホテルの部屋や用意された服に仕掛けられていた盗聴器の存在も知っており、確実にノエルが仕込んだものであると気付いていました。

「私が皆さまを監視していたことは認めます。しかし、だからと言ってわたしが白銀探偵事務所に犯人まがいの手紙を送ったとは限りません。君彦様はなぜ、わたしがこの事件に関わっていると断言するのですか?」

そしてここからはノエルがなぜこのような行動をしたのかの証拠を君彦は提示していきます。

ノエルが探偵事務所に手紙を送った理由は、ブルーノのことを徹底的に調べ上げてほしかったからです。

ノエルは『世界の知は間もなく滅びる』という手紙を君彦たちに送ることで、君彦たちは敬語対象であるブルーノのことを守ります。

そしてノエルはそこから君彦たちの裏を読み、敬語対対象であるブルーノのことを調べ上げてほしかったのです。

「わたしの負けです。すべて、お話しします」

ノエルは君彦の仮説を認め、全て告白しようとしたその時、会場の入り口が開き2人の人物が入ってきます。

それは銃を持ったカラスマスクとその銃を背中に突き付けられているブルーノの姿でした。

張り詰めた表情のブルーノはカラスマスクと共にゆっくりと壇上に上がります。

「十分な時間は与えたつもりだが、答えを出す者は現れなかったか」

そう言葉を発したのは、カラスマスクではなくブルーノです。

「お願いです、君彦様。止めて下さい、おじい様を」

ノエルがそう君彦に助けを求めた後、ブルーノは取り出したピストルで近くの政府高官の人形を撃ち殺します。

「人類はそろそろ目覚めるべきだとは思わぬか、この仮初の平和から」

叛逆の調律者

「ブルーノ・ベルモンド。あんたは一体何者だ?」

君彦は本性を現したブルーノになんでこんなテロのようなことをしたのかを訊きます。

「我々は聖域の人間ではない」

ブルーノは自分たちは《未踏の聖域》とは無関係だと主張し、ただ単に《未踏の聖域》を騙っていただけに過ぎないと言います。

そしてブルーノの最大の目的は、連邦政府が隠している世界の秘密を手に入れることでした。

ただしかし、今回のテロでブルーノは連邦政府から敵とみなされてしまいました。

「答えに辿り着くのは、私でなくともよいのだ」

これを聞いた君彦は、ブルーノが元《調律者》であるスティーブンたちと繋がっていたのだと確信します。

「なにがあんたをそこまで駆り立てる?なぜあんたはそうまでし連邦政府への叛逆を試みる?」

君彦は、ブルーノが世界の敵と認定されてでも手に入れたかったブルーノの本当の目的をききだします。

「何故誰も知らない。なぜ誰も覚えていない。なぜ世界はこの言葉を忘れている。世界の秘密、そんなのはこれしかあるまい。連邦政府が隠し続け、《情報屋》たる私でさえこれまで辿り着けなかった世界の禁忌――虚空暦録アカレシックコードだ!

会場は沈黙に包まれながらも、全員が《虚空暦録アカレシックコード》という単語のことが分かりませんでした。

ブルーノは重ねて君彦に質問をします。

「世界を救う盾たる《調律者》は何人いる?」

「十一人、だろ」

「《特異点》という言葉に聞き覚えはあるか?」

「…?数学かなにかの専門用語だったか?」

ブルーノは君彦の答えを聞き「そうか、もう十分だ」と構えていた銃を下ろします。

そして次の瞬間――スクリーンに新たな映像が流れます。

その映像に映ったのは、世界各国の首脳たちの姿と刃物と銃を持ったガスマスクたちの姿でした。

「私は今、悪としてこの世界を調律する」

ブルーノの決意

ブルーノは、赤いスイッチを取り出して舞踏会に設置してある爆弾の起爆スイッチを押そうとします。

「おじい様!やめてください!」

ノエルは痛切な声でブルーノを止めようとしますが、ブルーノの指先は起爆スイッチに伸びます。

――ただしかし、その瞬間に君彦たちの上から舞踏会に居たはずのシエスタが降りてきました。

「なぜ君がそこにいる…?」

「気付かなかったか。舞踏会が終わってから《聖還の儀》が始まるまでの間に、同じ顔をした探偵とメイドが入れ替わっていたことに」

そしてシエスタはマスケット銃でブルーノの握るスイッチを弾き飛ばします。

起爆スイッチを手放してしまったブルーノですが、ここでブルーノは奥の手を使うことにします。

「…そうか、名探偵。私と死のワルツでも踊ってくれるか」

それは《情報屋》として、万が一敵対組織の手で拷問などに遭ったとしても、自分の握る情報を漏らさないように体内に埋め込まれた爆弾でした。

そしてそのスイッチは、ブルーノの手ではなく他の《調律者》が持っています。

「…っ、そうか!ここにいるガスマスクたちは全員元《黒服》か!」

ブルーノの体内の爆弾のスイッチを持っていたのはガスマスクである《黒服》であり、会場にいるガスマスクたちは皆、懐から赤いスイッチを取り出しました。

「シエスタ、逃げろ!」

君彦はもう間に合わないと判断し、最後はシエスタを逃がすことだけを考えます。

しかし――《黒服》はボタンを押さず、ブルーノに仕組まれた爆弾は起爆しませんでした。

「――そっか。あなたをこんな形で死なせる命令を、彼らは聞かないんだよ」

ブルーノは「あり得ない」と言いつつも動揺はしておらず、ただ今起こっている現状を首を振って否定します。

《黒服》が起爆スイッチを押さなかった理由には、もう一人の探偵の功績でした。

「単純な話だよ。みんな、あなたを悪のまま死なせたくなかっただけ」

そこに入ってきたのは夏凪であり、夏凪はインカムを使って《黒服》たちに『誰よりも長く《調律者》として世界を救ってきた英雄を、このまま悪として死なせていいのか?』と説得をしていました。

実は、夏凪は2週間前に《黒服》の一人から《情報屋》を守ってほしいと頼まれており、協定を結んでいました。

ただ《黒服》は、ブルーノが黒幕であると夏凪に伝えられておらず、《黒服》も最後まで正義のバランスを取ろうと考えていたようです。

そしてブルーノの前に、孫であるノエルが立ちます。

引用:©2021 二語十・うみぼうず/KADOKAWA/たんもし製作委員会

「おじい様は悪人にはなれません。悪の右手は、あんなに柔らかくはありません。あなたの手は、弱弱き人を教え導く手です」

ノエルは何度も握ったであろうブルーノの手を握りそう伝えました。

ブルーノの最後

あれから数時間後。

君彦は、ブルーノに呼ばれて宮殿の寝室へと向かいます。

「悪いね。疲れているところ」

ブルーノは寝室のベッドに横になりながら君彦にそう言葉を掛けます。

「なんとなく、あんたは不死身そうな気がしてたんだけどな」

「はは、人は必ず死ぬさ」

実はブルーノには残された命がわずかであり、スティーブンからはあと半年の命だと言われています。

「それで、ブルーノ。なぜ俺をここに呼んだ?」

君彦はブルーノに呼び出された理由を聞きながらも、ブルーノが今回事件を起こすきっかけとなった真の犯行動機を訊きます。

「《情報屋》が平和な死を遂げられるはずがない。過去の英雄たちもそうだったように」

ブルーノはベッドに横たわりながら、今まで多くの《調律者》が悲劇な殉職を繰り返しているという歴史を語ります。

「世界の知たるこの身に本来、平和な死などあり得ない。にもかかわらずこの老体が安らかな死を迎えるとするならば、それは私が英雄などではなかったという証拠に他ならない…そう、私は少し前から勘付いていた。私は全知などではなかった。すべて知っている気になっていただけだった。無知の知を自覚していなかったのだ」

ブルーノは《情報屋》でありながらも本当は何も知らないことを恐ろしく思い、今回のような計画を立てました。

君彦はこの話を聞き、以前バーでブルーノから教えてもらった小さな小国の話を思い出します。

ブルーノはあの小さな小国の王のように何も知らないで死んでいくことが怖かったという事です。

そして君彦は「そんなは話を、なぜ俺に?」と逆にブルーノに問いただします。

「かつて、私のもとに君を救ってほしいと一人の少女が頼みに来た」

「少女?」

「彼女は言った、いつか少年Kはこの世界の中心軸をずらすシンギュラリティになると」

その後、ブルーノはそのことに関しては微笑むばかりで何も答えなくなります。

「ノエルとまた、美味い飯でも食べるといい」

「ああ、そういえば、晩餐会はまだだったな」

そして君彦は寝室を後にして廊下に出ると、そこにはノエルが居ました。

「聞こえてたか、今の話」

「…すみません。でも距離があったので、あまり」

君彦は「気にしなくていい」と伝えると、ノエルが口を開きます。

「何となく気づいていました。おじい様の身体がよくないこと。本人はうまく隠してきたつもりだったみたいですが」

「そうか。さすが家族だな」

ノエルは少し驚いた顔をして、「ええ、わたしはおじい様のことなら何でも知っているので」と微笑みながら言います。

そして君彦はノエルの肩をポンと叩き、背を向けます。

「わたしはもっと早く、おじい様を止めるべきだったのでしょうか?」

「どうだろうな。ノエルのことはノエルにしか分からない」

君彦は背を向けながらノエルにそう話します。

「いつかその答えが出たら、また俺に教えてほしい」

君彦は振り向かないまま、そう伝えノエルと別れました。

エピローグ

あの事件から3日後、日本に帰宅した君彦たちにはブルーノが亡くなったという報せが届きます。

そしてその1週間後、君彦はシエスタをある場所へと呼び出していました。

「それにしても、どうしてここなの?」

「なんとなく、ここに来るべきな気がした」

そこは以前、世界の敵であった《原初の種》と戦った場所です。今は誰も住んでいない都市となっており、ビルや飲食店は全て植物に覆われていました。

「そっか。それにしても、やっぱり持っているんだね、その本」

シエスタは君彦が肌身離さず持っている《原典》に気付きます。

「まさか、君があの時、未来を見ていただなんてね」

「ああ、敵を騙すならまずは身内から。お前が前に言ったことだろ?」

シエスタは呆れたように笑います。

「週末、渚と一緒に刑務所に行ってた。そこで分かったことだが、風靡さんが脱獄した」

約10日前のことであり、それは《聖還の儀》が行われていた時と同じタイミングでした。

「加瀬風靡は《情報屋》から脱獄の手引きを受けていたということ?」

これにより元調律者である《暗殺者》《発明家》《名優》《革命家》は、ブルーノの同志として連邦政府を敵に回していたことが分かりました。

「俺たちは今なにかを忘れている?もしくは世界がなにかを忘れているのか?」

君彦はブルーノが言っていたことを思い出します。

そして足をふらつきながら君彦はシエスタに訊きます。

「夢じゃないよな?白昼夢なんかじゃないよな?」

君彦はシエスタが目覚めている現実が嘘でないことをシエスタに確かめます。

「いるよ。私はちゃんとここにいる」

シエスタは君彦の背中から両腕を腹部に回して抱き締めます。

「なぁ、シエスタ。お前は、本当は1年前どうやって目覚めた――」

君彦は深呼吸しながらシエスタに問いかけます。

「大丈夫だよ。」

シエスタはポツリと呟きます。

「なぁ、シエスタ。もしこのまま地球が全部、植物だけになったらどうなるんだろうな」

「なに言ってるの、助手。そのためにあるんでしょ――《××》が」

君彦はシエスタの言った重要な部分を聞き逃してしまいます。

君彦はシエスタに訊き直そうとしますが、シエスタは首を捻っていました。

まるで今、自分自身がなにをいったのか分からなかったかのように―――

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【探偵はもう死んでいる】原作7巻後編の感想!

以上、「探偵はもう、死んでいる。」7巻のネタバレ後編でした。

君彦が《原典》の持つ力でタイムリープ?的なものをしていたことも驚きましたが、君彦たちもなにかを忘れている世界の秘密も気になりますね。

それには前巻から登場している虚空歴録アカレシックレコードとも関係がありそうです。

また1年前にシエスタが目覚めたようですが、そこにもなにか重要なことが抜け落ちているような気がしますね。

とりあえず君彦たちは、これから世界の秘密とやらを背景に、元《調律者》と連邦政府と戦っていくことになりそうです。

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まずは2年前に何があったのか気になるので、そこら辺が早く描かれてほしいですね!

たんもし解説まとめ

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【探偵はもう死んでいる】キャラクターまとめ

主人公サイド

君塚君彦

シエスタ

夏凪渚

斎川唯

シャーロット・有坂・アンダーソン